絹は高級すし屋のマグロなのか。。

靴下メーカーの売上(出荷金額)の内、30%~40%は原料代が占めています。

※ここでの靴下メーカーとは編み機を持っているメーカーに限ります。

年間売上が1億とすると約3500万前後の原料を仕入れている計算になります。

日用品での靴下に関しては値上げが容易で無い為、大きなウエイトを占める原料が高騰すると経営が圧迫されやすいことは容易に理解できます。

これをどうするかは経営者の腕にかかってくるのですが、そこはデリケートな部分ですので、触れません。

今回触れるのは靴下の原料である糸の価格推移についてなのですが、一番値上げ率と頻度が多いのが、’’絹’’になります。

通常糸屋さんから値上げ交渉されるのが、年に1度でしたが絹に関しては今年に入って4月に約15%値上げ、さらに7月に約15%値上げが予定されてます。

半年で2回です。

値上がりはしょうがないのですが、業務をするうえで決定的に困ることがあります。

それは見積もりです。

通常、サンプル作成→見積もり提示してから生産開始するまで約1から2カ月程度かかります。

何が困るかといいますと、商品の仕様と数量が決まって原料を買うときには、見積もりした時の原料価格より原料が値上がりしているということが起こってしまいます。

普段は多少予想して見積もり提示するのですが、絹に関しては値上がり率と頻度が予想できないためかなり困ります。

先方様に事情を説明させていただくやり取りのなかで出た言葉が今回の題名になります。

「もはやシルクは時価ですねぇ」

「そうですねぇ。」

「築地の鮨屋のマグロ状態ですね。」

笑ってしまいましたね。

シルク愛好家の方は多いと思いますが、これが舞台裏になります。